イベントレポート：【北海道/札幌】「集え！未来のまちづくりリーダー ～サステイナブルな未来のために～」
10月6日（土）、SDGs達成を目指す北海道の「未来のまちづくりリーダー」が札幌に集うという情報提供があり、会場の北海道大学環境科学研究院に行って来ました！
北海道はすっかり秋深く、ウールコートを着た人々が札幌のまちを行き交い、肌寒さを感じます。しかし、いざ会場に足を踏み入れると、多くの中学生/高校生と思わしき若者が集い、会場は凄まじい熱気に包まれていました！
このイベントは、なんとファシリテーターも高校生！主催に名を連ねる学生団体「学生ワーカーズ」のメンバーが、この日のために5時間もファシリテーション等のトレーニングを積んだということで、非常にスムーズな進行です。
まず、「持続可能な働き方」や「食・資源の持続可能性」をテーマに、学生や社会人など多様なスピーカーの方々から、それぞれ5分間の話題提供がありました。
これを受け、参加者が「もっと聴いてみたいと思ったこと」など４項目について、ワークシートに書き込みます。そして、特に関心を持ったテーマごとに10人ほどのグループを作り、参加者同士が意見の共有や議論などを通じて、自分の考えを整理しました。その後、グループ単位で講師と質疑応答をする時間が設けられ、最後に全員の前でグループごとに議論した内容を発表するといった流れで「サステイナブル（持続可能）な未来のために私たちができること」を探っていきます。
今回のワークショップでは、「グラフィック・レコーディング」という手法を用いて議論の内容などが記録されており、とても楽しい雰囲気でイベントが進みます。ファシリテーションは、一般社団法人サステナビリティ・ダイアログ代表の牧原ゆりえさん監修で行われ、議論を収穫（ハーベスティング※注１）し、それを土台に輪を通してさらなる学びを収穫する仕掛けの中、あっという間に成果が模造紙にまとまっていきます。
地域住民や自治体が主体となって無料または低料金で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場であるこども食堂を、北海道の方言で「非常に/甚だしく（Very）」を意味する「なまら」という言葉を用いて、馴染みやすく「なまら食堂」という名称にし、運営している高校生からの発表も、大きな刺激を参加者に与えてくれます。
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（※注１）Art of Harvestingというブックレットの日本語翻訳版リリースされます。詳しくは一般社団法人サステナビリティ・ダイアログ代表の牧原ゆりえさん（info@sustainabilitydialogue.com）まで直接お問い合わせください。
(EPO北海道ウェブサイトより転載）
イベント後半は、留学や公的団体による派遣などで、海外経験を得た中学生/高校生から、自分たちが海外で得た経験について発表があり、ユース世代の参加者は同世代の活躍から大きな刺激を受けていました。
このイベントを札幌市とした環境省北海道環境パートナーシップオフィス/北海道地方ESD活動支援センターの大崎美佳さんは、「社会課題の解決に取り組むユース世代の若者が多くいるにも関わらず、中高生や大学生は何もできないという社会の認識を以前から危惧していました。また、同年代の取組や考え方を共有することで、“自分にも何かできるかもしれない”と感じて行動に移す若者が増えたら、社会は変わっていくのではないかと考えました。SDGsの達成に向けて、肩書や年齢を超えた対話の場を設けたいという思いがイベントを主催した背景にあった」と打ち明けてくださいました。
また、登壇者のひとりである北海学園大学4年生の井上智恵さんは、「職業や年齢に関わらずSDGsに関心のある人が集う“主体的な学びの場”が今後も増えて欲しいと思います。また、参加者間で共有されたような“持続可能性を意識した取組み”が、北海道だけでなく、日本全国、そして世界を変えることができるかもしれないと感じました」と、今後に向けた意気込みを語ってくださいました。
イベント中も参加者同士が活発に情報交換や意見の共有を行い、とても有意義で参加者の満足度も高かったように思います。このような熱い取組が全国でたくさん実施されていると良いなぁと感じる一日でした。
SDGs-SWYとしても、機会あるごとに、SDGsに関する各地のワークショップやイベントに参加させて頂き、レポートしていきたいと思います！
それでは、またー！
2018年10月6日、北海道大学にて取材
文責：髙木 超（日本）
編集：髙木 超（日本）
ウェブ掲載：髙木 超（日本）
取材協力：井上智恵さん（北海学園大学４年生）
大崎美佳さん（環境省北海道環境パートナーシップオフィス/北海道地方ESD活動支援センター）
