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イベントレポート:「どんな社会の一員になりたい?~ユースが考えるSDGs時代のミス・ミスターコンのその先へ~」

2020年9月3日(水)、「超福祉展 」(ピープルデザイン研究所主催)にて、SDGs-SWYがミス・ミスターコンをテーマにしたシンポジウムを主催いたしました!

(新型コロナウイルス感染症の影響によりYoutube Live配信 ※アーカイブはこちら

SDGsには、ジェンダー平等」「不平等の是正」が盛り込まれていますが、これらは特に日本では進捗が遅れていると言われています。

そこで、今回のシンポジウムでは、SDGs時代のミス・ミスターコン等のコンテストをテーマに、コンテストの当事者をゲストにお招きしディスカッションしました。

学生同士でフラットに素直な気持ちを語り合った1時間半の一部を抜粋・編集し、レポートいたします!

 

各々のコンテストの取り組みを教えてください。

岩田寿夫(SDGs-SWY):

本日のセッションでは、生まれた時の性別が女性ながら、ミスター慶應SFCコンテストに出場している篠原かをりさん、今年からソフィアンズコンテストとして再スタートした上智大学から企画責任者の西川翔真さん、出場者の北脇里紗さん、山本大葵さんにお越しいただきました。

まず、それぞれのキャンパスコンテストの取り組みを教えていただけますか?

篠原かをりさん(慶応義塾大学):

今年からミス・ミスターSFCコンテストでは、参加できる条件が「慶應生である」のみとなり、ジェンダーや学部の壁が取り払われました。この新しい変革を興味深く思い、コンテストに応募しました。従来の女性像とは異なる姿をミスコンで発信する手法も良いですが、この条件の変化によってミスターコンが発信してきたこと・培って来たものに自分が手を伸ばせるようになったと考えています。私の他にも、生まれた時の性別が女性でミスターコンに応募した方が数名いらっしゃったようです。

篠原さんの自己紹介スライド

西川翔真さん(上智大学):

今年から、ミス・ミスターコンではなく、ソフィアンズコンテストに作り変えました。「ソフィアンズ」とは上智大生を指す言葉です。今までの、ミス・ミスターコンは、例えばウェディングドレス審査等の画一的な価値観がベースとなっていました。この画一的な価値観で、傷つく人や苦しい思いをする人がいるのではないかと考え、候補者のありのままの魅力を伝え、かつ社会課題を発信するような多角的に活躍する上智大生を発見するコンテストにしました。

ソフィアンズコンテストの紹介スライド

 

SDGsへの取り組みを教えてください。

西川翔真さん(上智大学):

ソフィアンズコンテストでは、評価項目の1つにSDGs部門を設けており、候補者がSDGsに関するテーマを決めて、発信・アクションしてもらっています。

山本大葵さん(上智大学):

SDGsの根底は、各々が「自分の軸をもつこと」だと考えます。社会が「SDGsをやってください」と変わらないと国民が変わらない状態から、一人一人がアクションを起こしていく社会に変わることを目指しています。そのため、毎月20〜30人の自分の軸探しの相談に乗っています。

山本さんの自己紹介スライド

北脇里紗さん(上智大学):

大学の国連本部研修でSDGsを学び、一人一人の行動が重要であると知りました。帰国後、学習の次のステップとしてSDGsに貢献するアクションに移したいと考えたので、ソフィアンズコンテストでSDGsに取り組むことはうってつけの機会でした。ファイナリストとしての発信を通じて、一人一人がSDGsに取り組むきっかけを与えたいです。

北脇さんの自己紹介スライド

西川翔真さん(上智大学):

実は、SDGs部門を通じて、運営自身がSDGsに関する勉強の場となっています。運営として上からコンテストを仕切るのではなく、SDGsに知見があり行動している候補者から学びをいただいて、一緒にコンテストを作っています。

山本大葵さん(上智大学):

従来の運営側のトップダウンのマネジメントとは異なり、運営と候補者で協力しながら、パイオニアとして未完成の概念に答えを求めていくことに楽しさを感じています。

清水瞳(SDGs-SWY):

これはまさに、目標17のパートナーシップですね!

篠原かをりさん(慶応義塾大学):

SDGsを意識して生活していませんでしたが、考えてみるとこれもあれもSDGsにつながっていることに気づきました。

先日、ダイビングライセンスを取得するために真鶴に行ったのですが、そこで海洋プラスチック問題に関心を持ちました。ダイビングでは美しい海中を堪能しても、海上に上がろうとした際に海面にプラスチックが漂っていると残念な気持ちになります。

岩田寿夫(SDGs-SWY):

私自身もプラスチック問題に関心があるのですが、そのきっかけにあるのは幼少期からシュノーケリングや釣りを通して自然と触れてきた経験でした。身近に自然があった人も、そうでない人も、いかに問題を自分ごと化してアクションに移していけるのか毎日悩んでいます。みなさんには、インフルエンサーとして、SDGsが提示する大きな課題の解決に若者を巻き込んでいっていただきたいです。

 

今後のキャンパスコンテストのあり方についてお考えですか。

篠原かをりさん(慶応義塾大学):

今回のミス・ミスターSFCコンテストでは、「従来のミスコン・ミスターコンのままだけど、何か1つを変えて、一石を投じたい」という意図で、応募資格が変更されました。

私自身、人生の7割の悩みがルッキズムに関することです。「こんな容姿だったら死ぬ」と思う日もありましたが、自分が死ぬのではなく、自分にそう思わせる社会を殺そう(変えよう)と思い、今回挑戦することにしました。自信がないままでも、自分が与えられたものを自分の「美」だと提示できる社会になってほしいです。そこでは、従来の女性像・男性像のステレオタイプで判断する必要はないはずです。

例えば私は、自宅でタランチュラを飼育していますが、他人からは「家に彼氏が来た時どうするの?」と聞かれてしまいます。男性・女性のステレオタイプ以前に、そもそも私は部屋に気軽に人を呼ぶ明るい性格ではありません(笑)

清水瞳(SDGs-SWY):

男性、女性問わずにタランチュラには驚くので、ここで聞くべきは「タランチュラ見て驚かない人いなかった?」ですよね(笑)

登壇者のみなさま(当日はZOOMでした)

西川翔真さん(上智大学):

今のミスコン・ミスターコンは、モデル・アナウンサーの輩出等、社会の需要に合わせている側面があります。しかし、キャンパスコンテストは大学生が主体であり、大学生が主体となって自分たちでしかできないことをやることが本来の姿ではないでしょうか。

私自身、高校生の時にキャンパスコンテストの候補者を参考に、大学にはどのような人がいるのか想像していました。外見も個性の1つなので、キャンパスコンテストに容姿基準が入ることは問題ないと思います。しかし、これからは容姿だけではなく、自分が発信したいものを持つ人、そして上智大学で輝ける人を見つけるコンテストにしていきたいです。

岩田寿夫(SDGs-SWY):

大学ごとの個性があるので、社会に合わせた画一的なコンテストにするのはもったいないですね。

篠原かをりさん(慶応義塾大学)

ソフィアンズコンテストの項目になぜSDGsが入っているのか最初は不思議でしたが、今日、上智大学がSDGsに取り組んでいるからと知り、大学の特色がでているのだと理解しました。多くのキャンパスコンテストが、容姿の優れた人の集まりで、大学ごとに出場者の特徴がありません。これから大学ごとの特色を出していきたいですね。

西川翔真さん(上智大学):

今回、ソフィアンズコンテストを新しく作っていく中で、社会には「自分がマジョリティであることに気づいていないマジョリティ」が多く、それゆえに取り残されている人にマジョリティたちが気づけない構造があると思いました。昨今、ミスコン・ミスターコンに批判が集まっていますが、ただ廃止するのではなく、「わからないながら新しくコンテストをつくっていく」ことにしました。批判や意見を受け止めながら、自分たちで考えていく過程が重要だと思っています。

北脇里紗さん(上智大学):

SDGsに取り組んでいるSDGs-SWYと、キャンパスコンテストが今回一緒にイベントを開催したこと自体、変革が起きている証拠ではないでしょうか。確実にキャンパスコンテストを中心とした周囲から変化が起きていると肌で感じています。

学生だからこそできることは沢山あるし、SDGsの最終年である2030年は今の学生が社会の第一線で働いています。私たち一人一人の個性が尊重され、達成に向けて変革の波が大きくなると良いと思います。

当日の様子

 

セッションのまとめ

清水瞳(SDGs-SWY):

今回のトークのキーワードの1つに「変革」がありました。このセッションは、Zoomで自宅から繋いでいますが、COVID-19以前ではこの形式が一般化するとは思っていませんでした。今回のオンライン中継は、ニューノーマルは私たちの手で作れるということの証左ではないでしょうか。

社会課題は深刻ですが、若者が中心となったムーブメントが増えています。その中で、キャンパスコンテスト等を今回取り上げさせていただきました。これからのキャンパスコンテストは、大学内の変革に留まらず、大学と社会、大学と企業を繋げるきっかけになるのではないでしょうか。キャンパスコンテストは学生だけではなく、社会も変えられるとわくわくしながら本日お話させていただきました。

 

篠原 かをり(Kawori Shinohara)

作家

北脇 里紗 (Risa Kitawaki)

上智大学国際教養学部国際教養学科 ソフィアンズコンテストNo.5

山本大葵 (Daiki Yamamoto)

上智大学文学部フランス文学科 ソフィアンズコンテストNo.6

西川翔真 (Shoma Nishikawa)

上智大学総合グローバル学部総合グローバル学科

ソフィア祭実行委員会コンテスト局

ソフィアンズコンテスト公式HP:https://sophians2020.mxcolle.com/

 

2020年9月3日、超福祉展にて収録

聞き手:清水瞳(日本)、岩田寿夫(日本)

編集:和田恵(日本)

ウェブ掲載:和田恵(日本)

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